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2005年 08月 03日
日本版LLP(有限責任事業組合)
今月1日に「有限責任事業組合(日本版LLP)契約法」が施行されました。
ベンチャー企業創生促進策の一環として出来た制度で、株式会社と民法組合の「いいとこどり」をした形態だといわれています。ちなみに、LLPとは、Limited(有限 Liability(責任) Partnership(組合)の略です。

この制度の特徴は、3つあります。

1.有限責任(株式会社のいいところ)
出資者(LLPの場合、組合員)が、出資額の範囲までしか事業上の責任を負わないため、出資者にかかる事業上のリスクが限定され、事業に取り組みやすくなります。

2.損益、権限の分配が自由(民法組合のいいところ)
出資者の間の損益や権限の分配を、出資比率と関係なく、出資者の労務や知的財産、ノウハウの提供などを反映して自由に決めることができます。
※株式会社においては、原則として出資比率に応じた損益の分配や議決権の分配が強制されます。

3.構成員課税(民法組合のいいところ)
構成員課税とは、組織には課税せず、出資者に直接課税する仕組みです。 つまりLLPには法人税は課されず、出資者への利益分配に直接課税されることとなります。 また、事業で損失が出たときには、一定額の範囲内で、出資者の他の所得と損益通算することができます。

さて、こんな「いいとこどり」のLLPの制度ですが、一定の制約もあります。

・出資だけの組合員が認められない
LLPの組合員は、全員が業務を執行する権利を有し、義務を負うため、何らかの形で、業務執行を行うことが必要です。
・株式公開できない
株式会社ではなく、組合ですので、当然、株式公開できません。

この点から、LLPは投資家からの出資を受けて、事業を立ち上げるという形態には向かない事がわかります。

LLPは、企業同士や、企業と個人、産学連携といった形で、法人や個人が連携して行う共同事業向きの制度といえます。 大企業は保有する研究施設を提供し、個人は独自の技術やノウハウや提供するといった事業形態に向いています。また、様々なスキルを持った専門家たちの共同体といった事業形態にも利用されそうな動きです。

一からの創業を目指す起業家の方々には、あまり関係ない制度だと思われるかもしれませんが、起業後、他社とパートナーシップを組むことになった場合、この制度が使えるかもしれません。

参考資料:LLPに関する40の質問と40の答え 経済産業省 産業組織課(平成17年6月)
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by office-izutani | 2005-08-03 00:00 | LLP解説